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2025-09-24
DMP、世界初※FP4対応 エッジAIカメラSoC「Di1」を搭載した開発キットの受注を開始― 優れた電力効率とステレオビジョン技術で、エッジAI開発を加速 ―

株式会社ディジタルメディアプロフェッショナル(本社:東京都中野区、代表取締役会長兼社長 CEO:山本達夫、以下 DMP)は本日、独自開発の次世代エッジAIカメラSoC「Di1」を搭載した「Di1 Development Kit」の受注を開始しました。
本製品は、量産を前提としたモジュールと豊富なインターフェースを備えたオールインワンの設計により、お客様のアイデアの具現化から製品化までをシームレスに開発を加速させるプラットフォームです。
近年、スマートシティ、ロボティクス、ファクトリーオートメーションなどの分野で、リアルタイム性とプライバシー保護を両立するエッジAIの需要が急増しています。しかし、クラウドへの依存による遅延や通信コスト、エッジデバイスの消費電力、そして開発期間の長期化が実用化の障壁となっていました。「Di1 Development Kit」は、これらの課題を解決し、電力効率の高いエッジAIソリューションを迅速に市場投入することを可能にします。
「Di1 Development Kit」の主な特徴
1. 迅速な市場投入を可能にするオールインワン設計
「Di1 Development Kit」は、量産利用を前提に設計・保証されたモジュール「Di1 SoM(System on Module)」と、豊富なインターフェースを搭載したI/Oボードで構成されています。Gigabit Ethernet、USB3.2、HDMI、MIPI CSI-2といった多彩なI/Oを備え、購入後すぐにソフトウエア開発と評価を開始できます。本キットで検証したソフトウエア資産は、そのまま「Di1 SoM」に展開可能なため、お客様の製品化までのリードタイムを大幅に短縮します。
2. 世界初※のFP4対応NPUによる電力効率の高いAI処理
DMP独自開発のSoC「Di1」は、4TOPSの性能を持つAIプロセッサ(NPU)を搭載し、世界で初めてFP4(4ビット浮動小数点)データフォーマットにハードウェアで対応しました。これにより、一般的なINT8(8ビット整数)フォーマットを利用する他社NPUと比較して、同等の認識精度を維持しつつ、AI処理性能を1.9倍に向上させ、メモリ使用量を40%削減します。この技術革新により、従来は大規模な計算資源を必要としたVLM(Vision-Language Model)のような高度なAIモデルを、2GBのDRAMという低コストなシステム構成で実行可能です。
3. 他社製品比22倍の電力性能比を誇るステレオビジョンエンジン
DMP独自のハードウェアIPである「Stereo Vision Engine」は、最大4組のステレオカメラによる360度の高速な深度測距を実現します。実測では、NVIDIA® Jetson Orin™ NX (16GB) と比較して、処理性能で3.7倍高速でありながら消費電力を約83%削減。結果として、電力性能比で22倍以上という圧倒的な効率を達成しました。これにより、ドローンやAMR(自律走行ロボット)において、ファンや大型ヒートシンクといった放熱部品が不要となり、システム全体のBOMコストと重量の大幅な削減に貢献します。
4. オープンで柔軟な開発エコシステム
開発環境は、オープンなAIモデルフォーマットであるONNXに準拠しており、TensorFlowやPyTorchで開発されたAIモデルをシームレスに移行できます。物体検出のYOLOシリーズや画像分類のMobileNetV2など、豊富な学習済みモデルを提供する「Model Zoo」やSDK(ソフトウエア開発キット)を完備し、お客様の迅速なアプリケーション開発と市場投入を強力にサポートします。
5. 日本発・グローバル対応による安心の供給体制
世界のエッジAI市場は年平均31%(MarketsAndMarkets, Grand View Research, Mordor Intelligence等の市場リサーチを基に当社推計)という驚異的な需要増が見込まれる一方、高性能なチップは海外の特定企業への依存度が高いという供給リスクも顕在化しています。
「Di1」および「Di1 Development Kit」は、こうした市場の要求と課題に応えるため、DMPがGPU開発で培った20年以上の技術を結集した正真正銘の日本初次世代エッジAI半導体/エッジAI開発環境です。開発期間短縮、高性能、低消費電力、BOMコスト削減に加えて、地政学リスクのない安定供給という新たな価値を提供することで、お客様のビジネスを強力に支援します。
製品概要と販売について
製品名 : Di1 Development Kit
受注開始日 : 2025年9月24日
希望小売価格: 50,000円(税別)
「Di1 Development Kit」主な仕様
搭載SoM | Di1 SoM |
主要インター フェース | USB-C x3 (ホストx1 / デバイスx1 / デバッグ x1) |
HDMI x1 | |
Gigabit Ethernet x1 | |
MIPI CSI-2カメラ入力 x2 | |
microSDソケット x1 | |
DIP/Tactスイッチ | |
電源 | USB-C給電または外部5V入力 |
提供物 | Di1 Development Kit本体(Di1 SoM+I/Oボード) |
ソフトウエア開発キット(SDK) | |
各種ドキュメント(ユーザーズマニュアル等) | |
動作温度 | 0~45℃ |
製品の詳細については、以下のウェブサイトをご覧ください。
https://www.dmprof.com/ja/products-and-services/gpu-products/lsi/di1-development-kit/
※当社調べ。2025年9月現在、エッジAIプロセッサにおいてFP4データフォーマットにハードウェアレベルで対応した製品として。
■ 会社概要
株式会社ディジタルメディアプロフェッショナル(DMP)
DMPは、GPUおよびAI分野における独自のコア技術で、顧客の製品競争力向上に貢献するIPライセンスおよびSoC・モジュール等の製品を提供する研究開発型企業です。詳細については、https://www.dmprof.com/ をご覧ください。
©2025 株式会社ディジタルメディアプロフェッショナル DMP、DMPロゴは株式会社ディジタルメディアプロフェッショナルの登録商標です。その他記載されている会社名、製品名は各社の登録商標または商標です。
■ 本件に関するお問い合わせ先
株式会社ディジタルメディアプロフェッショナル
テクノロジー製品事業部
TEL:03-6454-0450
e-mail:info_06@dmprof.com
Webサイト: https://www.dmprof.com/jp/contact/