ZIA MOVEは、ロボティックビークルの自律運転向けソフトウェアプラットフォームです。
同プラットフォームには、自己位置推定、地図作成・保存、最適なルートの作製（パスプランニング）、パス追従や表示機能までを含んでおり、さらにGUIによるナビゲーション操作が可能です。
ZIA MOVEの特長として、自己位置推定機能にVisual SLAM技術を採用しております。

自分の現在位置を推定する機能を「自己位置推定機能」と言います。
自己位置推定のためには、周辺の状況を理解する機能や、同じ場所を通行した場合に、環境を記憶したり思い出したりする機能が必要です。
ここで、記憶された周辺の環境を環境地図、または単に地図と呼びます。
自己位置推定と地図作成を同時に行う技術をSimultaneous Localization and Mapping と言い、頭文字をとって、SLAMと呼びます。
SLAMが使用するセンサーには、3D LiDAR、2D LiDARや、深度付きカメラを単独で使用する方法や、これらを複数組み合わせて使用する方法などがあります。
カメラだけをセンサーとして使用するSLAMをVisual SLAMと言います。

・カメラを使用するので、レーザーやセンサーなどに比べて低価格で、導入コストを抑えられます。
・カメラはSLAM以外の用途にも利用でき、カメラ画像をAI処理することで、物体認識することが可能です。
・ケーブルの様に細くてLiDARでは捉えにくいもの、例えばポール間に渡されたチェーン等を障害物として認識可能です。
・壁の模様など3D LiDARでは見落とす特徴を捉えることが可能です。
・RGBDやステレオカメラは、障害部の幅、奥行きに加え、高さも観測できるため、高低差があるような環境でも、カメラ単体で容易に周辺状況を把握することが可能です。
・高い停止位置精度とマーカー不要な自律走行が可能です。
・SLAMの地図作成には通常専門知識、経験や手間を必要としますが、当社のZIA MOVEは、容易に地図が作成できるように、工夫がされております。

ZIA MOVEはROS2のノードとして実装された複数のモジュールから構成され、それぞれのモジュールは２つの大きなコアに分類されます。
一つは、カメラ画像から自己位置推定と環境地図作製を同時に行う SLAMコア、もう一つは最適なルートの作製（パスプランニング）、パス追従を行うNavigationコアです。
SLAMコアだけを含む製品がZIA SLAM、両方のコアを含む製品が ZIA MOVE です。
また、ZIA MOVEではコントロールプログラムのサンプルも提供しており、ロボットにあわせたコントローラを容易に作成できます。

「ZIA MOVE」をご評価いただくことを目的とした評価キットです。
お客様は、NVIDIA® Jetson AGX Orin開発キットと付属のRealSense RGBDカメラを用いて、ZIA MOVEをご評価いただくことが可能です。