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2021-05-14
DMP、ドローン向けワイヤー検出のAI認識モデルを開発
株式会社ディジタルメディアプロフェッショナル(本社: 東京都中野区、代表取締役社長 大澤剛、以下DMP)は、ドローンや無人走行ロボット向けに送電線やフェンス等のワイヤーを検出するAI認識モデルを開発したことを発表します。
DMPは、最先端のAI/ディープラーニング技術を活用して、ロボティクスおよび安全運転支援分野等における社会課題・顧客課題の解決に貢献しているAIテックカンパニーです。昨今、少子高齢化による労働人口の減少や新型コロナ感染症の長期化という社会課題を解決する1つの手段である省人化、無人化のソリューションとして、ドローンやロボットの開発および社会実装が加速しています。従来、ドローンが自動飛行時に送電線や獣害対策用のワイヤーなどの細い金属線に、また無人搬送ロボットも稼働中に細い金属ワイヤーに引っかかって故障するという問題がありました。今回DMPが開発したAI認識モデルは、細いワイヤーを検出することで、ドローンやロボットのそういった故障を未然に防ぐことに役立ちます。
本AI認識モデルを活用した電線の検知例 (赤で表示)
DMPのワイヤー検出のAI認識モデルはディープラーニング技術を活用した画像認識ソフトウエアです。一般的にディープラーニング技術を画像認識に適用する場合、良質かつ大量の学習用画像を用意することで、高い精度を実現します。その一方で、適用する対象によっては学習用画像を十分に用意できない場合も多くあります。今回のワイヤー検出用AI認識モデルの開発においては、大量の学習用画像データ収集にコストがかかるため、Data Augmentationの手法を活用しました。Data Augmentationとは、既存のデータセットから様々なテクニックを用いてデータ量を拡張する方法です。ワイヤーの太さ、色、色合いなどを変更した学習用データを生成し、従来の人手による追加データの取得・作成作業を行うことなく、高精度のAI認識モデルを開発することができました。
DMPでは敵対的生成ネットワーク(GAN: Generative Adversarial Network)を含むData Augmentationの技術を学習用画像生成に適用しています。GANは、画像を生成する生成モデル(Generator)と、その画像が本物か、生成モデルによって作られたものかを判別する識別モデル(Discriminator)からなり、これらの2つのモデルが競い合うように学習を行うことで、より実物に近い生成画像を得る方法です。
DMPは今後、本ワイヤー検出AI認識モデルをドローンや自動走行ロボットを開発されているお客様向けのソリューションとして、拡販、普及を図ります。また、お客様からのフィードバックをもとに、本認識モデルのさらなる機能向上に取り組んでいきます。さらには、ワイヤー検出モデルに限らず、お客様の様々なアプリケーションとその要件に応じて、GANを含むData Augmentation技術を適用した高品質なAI認識モデルを開発、提供していきます。